2007/10/25

After Effectsのエクスプレッションでパーティクルを表現する-02

それではAfter Effectsのエクスプレッション(Expression)でパーティクルを表現する記事の第二回目です。前回はあまり面白くない動画となってしまったので、少し手を加えてみることにしました。(クリックで動画再生)

aeexp02

このように星が外側に流れていく表現をエクスプレッションでつけていきます。今回のプロジェクトデータはこちらからダウンロードできます。

基本的な考え方

基本的な考えは前回と変わらず、

  1. レイヤーの名前を利用してインデックスを指定し、
  2. インデックスを利用してアニメートする時間を決定
する流れとなります。ただし今回は出現位置がエミッタによって決まるのではなく、半径Rの円内部でランダムに出現させるようにするところと、パーティクルが外側に移動していくところが異なっています。

random()メソッドについて

今回重要となるのがrandom()メソッドについてです。random()メソッドは文字通り0~1のランダムな値を返すメソッドで、AEのエクスプレッションでは非常によく使われる関数です。ただ、このまま使用してしまうと1フレームごとに異なる値が帰ってきてしまいます。通常の使用用途でしたらこれでいいのですが、今回は時間で変わることのない値を返してほしいので、random()メソッドの前にseedRandom()関数を記述します。

seedRandom(offset,timeless)関数は乱数シード値を変更するメソッドです。offsetにはシードの値、timelessにはrandom()メソッドの乱数シード値に時間を使用するかを記述します。通常ではtimeless=falseとなっていますが、今回はtrueにしてrandom()メソッドを時間に依存しないようにしました。

エクスプレッション

それではエクスプレッションを記述していきます。nullを作成しスケールに0→100→0%となるようにキーフレームを打ち、パーティクルの名前を"s_01"とします。そしてパーティクルの位置とスケールのエクスプレッションに以下を記述します。

位置のエクスプレッション


var centre = [320,240]; //中心点
var radius = 209; //半径
var seed = 10; //シード
var rate = 28; //一秒間に何回パーティクルが出現するか
var vel = 1; //速度比例定数

/************Expression開始*************/
var num = name.slice(2,4)-1;
seedRandom( seed+num,true );

//初期位置に関する記述
var r = random(radius);
var theta = random(6.283);
var pos = new Array( r*Math.cos(theta),r*Math.sin(theta) );

//移動に関する記述
var t_start = num/rate; var transfer;
if(time < t_start){
transfer = new Array(0,0);
}else{
transfer = mul( pos , vel*(time - t_start) );
}

//最終位置の決定
centre + pos + transfer;

スケールのエクスプレッション


var rate = 28; //一秒間に何回パーティクルが出現するか
var num = name.slice(2,4)-1;
thisComp.layer("null").scale.value_at_time( time - num/rate );


スクリーンショットは上をクリック。


もちろん最初の変数は変更しやすくするために、nullにエクスプレッション制御のエフェクトを追加して指定させてあげたほうが使いやすいと思います。


その後にCtrl+dキーを使ってパーティクルを大量に複製させ、グロー処理を行ったりとかの味付けをして完成です。背景の星空はフラクタルノイズを使用しました。よーく見ると背景もアニメーションしているのが分かるはずです。


ただ正直この程度だったらエクスプレッションを使用せずにパーティクルエフェクトを使用したほうが現実的ですね。一応半径を変形できたり後に動きを柔軟につけられるとか利点はあるんですけど。次回はエクスプレッションならではのアニメーションをさせてみます。


補足説明


AfterEffectsはベクトル関係のメソッドが充実しています。小さな三角形をクリックして、"Vector Math"を調べると加算、減算、スカラー倍、内積、外積、単位ベクトル化など大体のベクトル演算が揃っていることがわかります。ちなみにこのメソッドを使わなくても、


  • 加算:vec1 + vec2

  • 減算:vec1 - vec2

  • スカラー倍:k*vec1


程度だったらわざわざメソッドで処理しなくてもきちんと認識してくれます。もちろん"vec1*vec2"のようなものはエラーになります。

2007/10/22

Sci Fi - Infinite OZ "Tin Man"

Infinite OZ "Tin Man"
画像の中に画像がいつまでも続いており、とても不思議な感覚。それと絵の綺麗さについつい見入ってしまいます。

アメリカにはSci FiというSF専門のテレビ局があるのですが、そのテレビ局が放送している"Tin Man"っていう番組のプロモーションサイトらしいですね。Zoomquilt projectからインスパイアされた9人のアーティストが製作したらしいです。気に入った人はZoomquilt projectも面白いですよ。

忙しいです。

最近はてんてこ舞い状態で、なかなか映像方面の時間がとれません。なんてこったい。

もうすこし落ち着いたらちょこちょこ勉強していきたいと思います。ここ1ヶ月の目標としては

くらいでしょうか。時間がほしいです。ホントに。

2007/10/15

After Effectsのエクスプレッションでパーティクルを表現する-01

最近はニコニコ動画とかYoutubeの登場によって、After Effectsを利用して映像を製作する人が増えているような気がします。しかしAfter Effectsを解説している日本のサイトは数えられるほど少なく、またその中でエクスプレッションの説明をしているサイトなんていうともうほとんどありません(なんか前もおんなじこと書いたような気がする) というわけでこれからAfter Effectsのエクスプレッション(Expression)の情報を載せていきたいと思います。よくある入門的な記事じゃなく、即戦力になる実用的な使い方を紹介していくつもりです。興味のある人は検索からたどりつくでしょう。たぶん :(

エクスプレッションを使用して似非パーティクルシステムを作る。

After Effectsには一応標準でパーティクルプレイグラウンドという、パーティクルを発生させるエフェクトがあったりするんですけど正直使い勝手はあまりよくありません。そこで今回はエクスプレッションを利用してエミットからパーティクルを放出させるエフェクトを作ってみることにします。

参考にしたサイト

水玉映像・・・基本的な考え方はこのサイトを参考にさせていただきました。ホント勉強になります。感謝。

エクスプレッションを使うメリット
  1. パーティクルの一つ一つに複雑な動きや統一的な動きをつけられる(これが一番大きいです。微調整もしやすいですし、数十個のフッテージを一括して調整できます)
  2. 処理が基本的に軽い。(せいぜい数十個のレイヤーしか扱いませんし)
  3. 手作業でやらなければいけないアニメート作業がエクスプレッションを使用することである程度軽減される
デメリット
  1. いちいちエクスプレッションを書かないといけない
  2. 数百個とか莫大な数のフッテージは処理できない
  3. 数式やプログラムに拒絶反応を示す人は苦手かも
ってなかんじです。パーティクルとまではいかないけど数十個のフッテージの動きを統一させたいなんて場合には使えると思います。

螺旋を描く星群を作る


今回作る動画は次のような感じです。(クリックで動画再生)

モーショングラフィックス的には面白くない動画ですけど、始めはこんなんからやっていきます。
今回使用したプロジェクトデータはこちらからダウンロードできます。

エミッタの動きを作る


それではまずパーティクルの発生源であるエミッタの動きをエクスプレッションでつけていきます。
「レイヤー→新規→ヌルオブジェクト」を選択してヌルオブジェクトを作ります。レイヤー名を"null"にして位置のストップウォッチをAlt + クリック。螺旋の動きをエクスプレッションにて記述していきます。
螺旋の動きを表すベクトルP(t)は

P(t) = ( r(t)cosωt , r(t)sinωt ) , r(t) = R - kt (R,k,ωは定数)

で表現できるので、エクスプレッションは

 
//初期化宣言
var R = 230; //最大半径
var k = -80; //減衰量
var omega = 10; //角速度(rad/s)
var alpha = -1; //開始角度(rad)

//Expression開始。
var r = R + k*time;

if( r < 0){
r = 0;
}

var pos = new Array( r*Math.cos( omega*time + alpha ),
r*Math.sin( omega*time + alpha ));

position + pos;

となります。これで螺旋の動きをつけることができました。

パーティクルを作る


それではパーティクルの製作に取り掛かりたいと思います。制作方法は大まかに


  1. フッテージ(パーティクル)がどの場所で現れるのかエクスプレッションで記述。レイヤー名を"なんたら01"みたいな感じにすることで、複製させたときに01,02,03...と各フッテージにインデックスがつけられるようにする。

  2. エクスプレッションでレイヤー名から自分のインデックスだけを切り出して、適切な場所に配置。

  3. スケールや回転などのアニメーションさせたいプロパティは"null"にアニメーションを記述し、エクスプレッションで参照させることによって一括管理する。



となっています。文章で説明するよりもスクリーンショットを見てもらったほうが早いです。(クリックで拡大)



このエクスプレッションで重要なメソッドとプロパティは以下のようになります。

  • name.slice(val1,val2)
    nameプロパティは自身のレイヤー名を表すプロパティで、slice(val1,val2)メソッドはval1を開始位置、val2を終了位置として文字列を抜き出すメソッドです。この場合は"s_50"という文字列から50が抜き出されることとなります。

  • value_at_time(time)
    特定のプロパティの、任意の時間での値を返します。たとえばposition.value_at_time(1)でしたら1秒の時点での位置情報を返しますし、scale.value_at_time(2)でしたら2秒の時点でのスケールの値を返します。
    ただし注意しなければいけないのが、「value_at_timeメソッドは、エクスプレッションで記述された値を返さない」 ということです。value_at_timeメソッドが返す値はあくまでキーフレームの値であり、エクスプレッションは無視されます。

それではオブジェクトの位置を決定し、スケールをアニメートさせるために、位置とスケールのエクスプレッションを記述します。
パーティクルの表現に重要となるのはインデックスの値です。"s_○○"の○○の値によって、自身が出現するべき時間と位置を決定させます。

位置のエクスプレッション
 
var num = name.slice(2,4)-1;
thisComp.layer("null").position.value_at_time( num *
thisComp.layer("null").effect("比例定数")("スライダ"));

スケールのエクスプレッション
 
var num = name.slice(2,4)-1;
scale = thisComp.layer("null").scale.value_at_time(time -
num*thisComp.layer("null").effect("比例定数")("スライダ"));

とりあえず今回のプロジェクトデータを参照すれば、ある程度分かるかと思います。
今回はとりあえず軽めにいきました。次から少し応用に入っていきます。

みんなのうた03 - 哲学するマントヒヒ

今回は2003年に放映され一部で物議を醸しだした『哲学するマントヒヒ』を紹介してみたいと思います。なんていうか…これホントにNHKで流れたの?っていうような映像です。とりあえずまだ見ていない人は一度ご覧になってみてください。

自分もこれテレビで見たときは「これ狂ってんな」と少しビビってたんですが、調べてみるとこれ製作したのAC部らしいんです。あーあの人たちか~

AC部っていうのは2000年のデジスタで最優秀賞をとってから有名になったデザイングループで、毎回こんな感じの狂った映像を作ってます。そりゃあこんなインパクトある映像だったら印象残る気持ちも分かる気がします。

テレビとか映像ってインパクト勝負なところもありますし、やっぱこういうような映像のほうが綺麗な映像より印象は強いのではないでしょうか。実際にテレビのタイトル部分とかPVとかAC部はよく製作に関わってたりします。

2007/10/11

お勉強。

最近はRender TreeとToon Shaderの概念について学んでいます。新しい構想では3Dっぽくない、手書きのような絵を目指しているのでトゥーンシェーダー関係の知識は必要不可欠なのです。それで適当に勉強してるわけですが、かなりこの分野は奥が深いです。極めればどんな絵も作れるかも!?ってな気になってきます。
とりあえず忘れないために学んだことをメモ。見る人いるのかなぁ・・・
  • 輪郭線の出力はレンズシェーダであるToon Ink Lenzシェーダで一括して行う。各オブジェクトごとにSpreadなどを調整したい場合はマテリアルのToon HostあるいはToon Paint and Hostシェーダで各自調整する。
  • 通常の範囲内(e.g. いわゆるアニメ調の絵を出力したい場合とか。)で使う場合はToon Paint and Host単体で使用しても問題ないが、もう少し自由度が高いノード構成にしたい場合は一旦Toon Hostをマテリアルに接続する。
  • Toon Hostシェーダは輪郭線の制御のみを行うシェーダ。実際の絵作りはToon Hostのsurfaceにノードを接続することで作ることができる。
  • 普通はToon HostのsurfaceノードにMix 8colorsを接続してからToon PaintシェーダやToon Paint Ambientなどを実際につなげていくらしい(アップルシードのユーザ事例より)。確かにそっちのほうが単体より微調整しやすい。
  • 輪郭を出したくない箇所はToon Hostのmodify_spreadにテクスチャやウェイトマップを接続することで調整できる(XSIの機能紹介ビデオより。)。
  • 擬似的なトゥーン効果を得たい場合、インシデンスとグラディエントを組み合わせたほうが目的の絵を得られやすい。
  • 特定の箇所にシャドウを入れたり、ハイライトを入れたい場合はシャドウ部分を指定したテクスチャやウェイトマップを用意し、それをToon Paint AmbientやToon Paint Highlightに接続したほうがやりやすいかも。
追記
アクセス解析見てみたらいろんな国の人(25ヶ国)がこのブログを訪れていてびっくりしました。
日本とアメリカが多いのは理解できるんですけど、アルゼンチン、カナダ、ルーマニア、イタリアからも結構来てて、なんでこんなとこ来たの?って思うのがポーランド、メキシコ、ブラジル、タイ、イスラエル(!?)。
何ででしょう・・・?

2007/10/10

第2弾構想中。

まだ作りたい構想があるのでもう一つプロジェクトを立ち上げる予定です。現在は暇があったらちょこちょこ製作して、実際に実現可能かどうか見極めている段階です。

モーショングラフィックスの利点ってただカッコいい映像が作れるってだけじゃなく、常に新しいタイプの映像を生み出せることもあると思うのです(1)。自分はまだ先人達の後を追っているだけでまだ何も生み出せていないのですが、自分なりにやってみたい構想ができたので実現できたら嬉しいです。

(1)もちろんこれはモーショングラフィックスだけに限ったことではないですけど(e.g. 最近の例で言うとGenius Partyですね。見たいのに仙台では上映していないのが残念)、比較的短時間なおかつ少数で作ることがモーショングラフィックスには多いので冒険しやすいっていうのはあると思います。

2007/10/07

XSIとAfter Effectsを使用した合成 part3

After Effectsでの合成

さて、素材も揃ったことですし、After Effectsを使って実際に合成してみたいと思います。

1.まずはマット素材を使用して、最初の素材からログハウス部分を切り出します。具体的には「エフェクト→チャンネル→チャンネルコンバイナー」を利用してホワイトマット素材を3つ作り、それぞれルミナンスマットで切り出し。その後で「色相/彩度」エフェクトを使って大まかに色をつけます。

「チャンネルコンバイナー」での設定。ターゲットは明度のみを選択します。

だいたいこんな感じの絵になりました。まだ使えるレベルではありません。

2.この素材の上からアンビエントオクルージョン(以下AO)素材を加えることで、ディテールを細かくします。ただしそのまま乗算してしまうと印象が暗くなってしまうので、AO素材の暗色部分にカラーグラデーションを加えて、様々な色が重なったような複雑な色を出してみます。具体的には以下のとおり。
  • 平面素材を新たに作り、「エフェクト→レンダリング→カラーカーブ」を適用。シャドウ部分に適用させるため、少々暗めの色を使ってグラデーションを作る。
  • これにルミナンス反転マットを適用させ、AO素材を指定することでカラーグラデーションのかかったシャドウ部分だけが残ることとなる。


タイムラインで見るとこんな感じです。


実際にAO素材に適用した様子。


元の素材と重ねてみた様子。少しマトモになってきました。

3.インシデンス素材を利用して、ログハウスを発光させたような絵にもっていきます。
  • 「エフェクト→ブラー&シャープ→ブラー(ガウス)」エフェクトをインシデンス素材に適用。素材をぼかす。
  • その後にインシデンス素材の描画モードを加算に設定する。
加算モードは非常に使えるモードで、対象を発光させたりとか光が溢れるような表現によく使われます。

ようやっとそれらしくなってきました。

他のオブジェクトも同様にして表現していきます。当然オブジェクトによってはインシデンスだけ使ったとかAOだけ使ったというのもあります。
最後に切り出した素材たちを集めて、トーンカーブエフェクトで微調整してログハウスシーンの完成です。

マリオの「スーパーキノコ」そっくりのキノコは実在した

マリオの「スーパーキノコ」そっくりのキノコは実在した from GIGAZINE

任天堂のアクションゲーム「スーパーマリオ」に出てくる、食べるとパワーアップできる「スーパーキノコ」にそっくりなキノコが実在するそうです。
やはり食べるとパワーアップできるのでしょうか。

正直ベニテングダケという毒キノコ自体は前から知ってたんですけど、そのときはスーパーキノコに似てるなんて思いもしませんでした。ですが改めてベニテングダケをまじまじと見つめてみると、なるほど似てるのかもしれません。

それはさておき。実は私が伝えたかったのは、このベニテングダケそのものなのです。タイトル部分がマリオなのは正直そっちのほうが食いつきいいかもってなだけで、この記事にあんま関係ありません。

なぜか昔この胡散臭い毒キノコについて調べる機会があったのですが、調べてみると以外や以外、このキノコ結構歴史を持っているそうなのです。

たとえばディズニーの映画などによく出てくる赤いキノコ、あれベニテングダケがモチーフになっているらしいです。他にもこの毒性を生かして昔はハエとりとして使ってたり、幻覚や興奮などの副作用を利用し、一種の麻薬として使う文化もあったらしいです。

そしてなにより驚きなのですが、なんとこのキノコ…

食べるとむっちゃ旨いらしい(えー)

なんかWikipediaによると、ベニテングダケに含まれているイボテン酸が強烈な旨味成分を持っていて、その強烈さは味の素の20倍。凄まじいですね。

ですから一部の地域では塩漬けにして毒を軽減させて食べたりとか、一部のキノコマニア野郎は旨さに惹かれて副作用覚悟で食べるらしいです。マジかよって感じですが、実際にベニテングダケで検索してみると、食べている人が結構いるから驚きです。ここまでやられるとどれだけ旨いんでしょうって気分になります。流石に食べるのは勘弁ですけど。

2007/10/06

XSIとAfter Effectsを使用した合成 part2

素材作り


今回のプロジェクトではXSIのレンダパスを利用して1つのシーンから3つの素材を生成しました。生成した素材は以下のようなものです。


マット用素材-吐き出された画像から特定の箇所(この場合はログハウス)を切り出すために使用する素材です。色が赤、緑、青と3つに分かれているのは、RGBの各チャンネルに切り出す対象を分けることで、1つの素材から3つの箇所を切り出せるようにできるためです。通常のホワイトマットと比較して3倍レンダ時間が節約されます。


アンビエントオクルージョン(Ambient Occulusion)-アンビエントオクルージョンシェーダーを使用して作られた素材です。アンビエントオクルージョンとは基本的にものが密集している部分は暗くなり、密集していない部分は明るくする計算手法のことです。上の絵を見てみると、密集している丸太の部分は黒くなっているのが分かるかと思います。
別名汚しシェーダーと呼ばれていて、単体で使うのではなく他の素材のディテールを高めるために使用する場合が多いです。


インシデンス(Incidence)-インシデンスシェーダーを使用して作られた素材です。インシデンスとは主にサーフェイスの法線ベクトルと、カメラから発射されるレイベクトルのなす角によって決定付けられるシェーダーで、サーフェイスの法線がカメラのほうを向いていれば白くなり、向いていなければ黒くなります(正確にはスカラー値で返されるので白黒関係ないんですけど)。結果、オブジェクトの境界部分は黒くなる傾向にあり、中心部分は白くなる傾向にあります。木の部分がよくその傾向を表してます。
インシデンス素材は基本的に様々な素材の補助的役割として使われる場合が多いような気がします(たとえば境界部分だけをを発光させたりとか、暗くさせたりとか)。今回は様々な用途に使えるかなーって思って作ることにしました。

それではこの3つの素材を組み合わせてログハウスを作ってみることにします。

part 3へ。

XSIとAfter Effectsを使用した合成 part1

はじめに


レンダパスを利用した合成は出力された絵のクオリティを向上させるという点で必要不可欠であり、しかもレンダツリー単体で行う膨大な調整時間をある程度軽減するという点でも有用です。
しかし現状ではレンダパスを利用したAfter Effectsとの合成となるとほとんど情報がありません。なので自分なりにいろいろと試行錯誤した結果をメイキングとして載せておきたいと思います。日本語でのXSI情報が少しでも充実することを願って ;)

目標


今回のプロジェクトでXSIにレンダリングさせる時点でのマテリアルはLambartのAmbient,Diffuse値を軽く調整したくらいで殆ど行いませんでした。理由としては二つあって、一つめがメインの配色をまだ決めていなかったため、あえてレンダリング結果を一つの素材として採用し、柔軟に試行錯誤しようとしたことで、二つめが個人的には慣れないXSIで作業するよりも、使い慣れたAfter Effects上で作業したほうが効率的であろうとふんだからです。
まずはそのままXSI上でレンダリングした静止画を載せておきます。レイトレーシング、シャドウマップ使用。Final Gatheringは使用していません。
上の絵を見たら分かるとおり、このままではあまりにも3Dしすぎていてとてもそのまま作品として出せるクオリティではありません。
今回のメイキングではレンダパスを利用して、ログハウスを上のような絵に仕上げてみたいと思います。

part 2へ。

2007/10/04

Newline Project あとがき

Newline Projectが終わりましたので、今まで書けなかったあとがきを書いてみます。

製作の意図

実際に頭の中にあったイメージを具現化したいと思って製作しました。ですからあまり強烈なメッセージ性は存在しません。

最初は「走り回る五線譜の上を音符が飛び回る」というイメージをしていたのですが、考えているうちにそれよりも一見適当に走り回っている五線譜が、最後上から見たらきちんとした文字を形成している、というほうが面白いかなと。そして音符は飛び回りながら人間の形を形成していったほうがいいのでは思うようになりました。

シーンの配色については、各場面においてそれぞれ異なるベースの色を使用していきたいと考えていました。今回の映像においてはそれぞれの場面でそれぞれの人物が全く異なった環境下で動いています。そうした各自のカラーを表すという意味で、異なる色にしたほうが今回適切なのではないか・・・いや、うそです。そっちのほうがきれいで面白そうだからです。うそついてごめんなさい。

とりあえず一段落ついてよかったです。今回初めて3Dを使用するということもあって、正直大ゴケしたらどうしようか考えていたのですが、少なくとも自分の技術力が向上したという点でやってよかったなと思います。

反省

  • 本当はもう少し音符を飛び回らせる予定だったが、自分の根気不足で断念した。
  • もうすこしインテリア関係の小道具も充実させたかったのだが、同じく根気不足で断念した。
  • 人間の動きが不自然になってしまったので、要修行。
  • 3Dで行ったのはアニメーションだけで、質感は追い込みが足りなかった。おかげでAEでの合成に苦労し、最終的に締め切りを延期させる事態になってしまった。

これからの予定

  • 作ってみたい映像はまだまだたくさんあるので、現在の技術力も考慮しながら製作していきたい。

暇あったら反省がてらにメイキングの記事を作っていきます。

Newline Project 完成



やったッ!Newline Project完!
ということでようやっと完成しました。制作期間はだいたい4週間です。動画はYoutubeとStage6の両方にアップロードしました。
ブログのほうにはYoutube versionを貼っておきます。


より高画質なのはStage6のほうなので、できればそちらを観ていただけるとありがたいです。

2007/10/03

知り合いが全国テレビに出たという話。

題名通りの話です。1ヶ月くらい前に収録を行ったという番組がついさっき放映されました。それを見てふと感じることがあったので、久しぶりにペンならぬキーボードをたたいてみることにしました。

番組の内容

その方が出演していた番組は芸人たちがいろいろな企画に挑戦していく番組で、いわばよくあるバラエティ番組です。その番組の中で彼女は、いわゆるギャルやキャバクラ嬢と一緒に「アンチ芸人」の立場で芸人たちと討論をするという、一企画のゲストとして参加することになったのです。

どんな内容なのだろうと見てみたら、なるほどとてもくだらない。正直知り合いが出ていなかったら絶対に見ないような番組です。「アンチ芸人」達は暴言のオンパレード。芸人達も芸人達で売り手に買い手で、討論の場はさながら喧嘩のようでした。その番組の中では彼女らはただ「芸人に向かって暴言を吐く品の悪い人達」という人物でしかなかったのです。

しかし、彼女らは本当に番組のように品が悪いのかといえば、そうじゃなかったりするわけで。私達以上にきちんと物事を考えていたり、自らの生き方について明確な目標を定めていたりするのです。そういった一面を知らずに、ただ「ギャルやキャバ嬢 =あまり考えていない人」のように一方的に決め付け見下したりするということは、まったく馬鹿げているわけです。

編集するということは

たとえ単純な切り貼りであっても、その人の思想や意思は多少なりとも入ってくるもので(e.g.ニュースの意図的な編集)。たぶんこの企画を作った人は、アンチ芸人グループを品が悪いようにしたかったのでしょう。キャバ嬢やギャルなどを採用したのも、偶然ではないのかもしれません。

編集で人格を一面的に加工することに「マジかよ、こういうのメディアよくやるんだ」って思うのと同時に、馬鹿にする人達と馬鹿にされキレている芸人という構図を潜在的に欲している人がいるということに、すこしなんだかなぁと思った深夜なのでした。

補足

知り合いは大学生で、個人的にすごく尊敬している人です。