自分は結構前から『lucille 開発日記』というブログを購読しています。内容は「さっぱり」わからんのですが、いろんなレンダラ業界の話に触れることが出来るのでとても面白く読ませていただいています。
そんでそのブログで"Youngest Prof. nyaxt recieves “incredible creator” title"という、17歳の大学生が採択された記事を読んで、すごい未成年もいるもんだなぁと思ったのでした。 その凄さを説明するには自分の知能があまりにも足りないので、『2006年度下記『未踏ソフトウェア創造事業』』(pdfファイル)より引用しました。
またも恐るべき未成年が現れた.17歳の大学生というだけでニュースバリューはあるが,そのしっかりした洞察力と技術力は,ソフトイーサの登大遊君を彷彿とさせるものがある.「洞察力」と言ったのは,目の前の問題をクリアするだけの技術力ではなく,目の前にある問題を整理・組み替えして,あらかじめ見通しをよくしてから取り掛かるという,世の中のすべての研究者・技術者が備えていたら いいなあという理想の能力のことを指す.
そもそも,17歳で,この短期間に実にたくさんのことを一度にやってのけた.物理レンダラと非物理レンダラの統合というだけでも,ほーっと感心することなのに,統合が逆にもたらすいくつかの新しい問題 (シェーダに関わる問題) も一挙に「統合的」に解決してしまった.Mental Images社が世に出したMental Millとほぼ同等のものを,たった一人で同時に開発していたことも驚きである.竹内が1回目の現場訪問に行ったときに彼の原型を見せてもらったが,そのときはまだMental Millの話は世に出ていなかった.
上野君はレンダラの正真正銘のプロである.成果報告会での質問に対して,これが3つめのレンダラで,最初のレンダラは中学生のときに作ったと答えたので会場がどよめいた.これだけの経験があるからこそ,非常に「正しい」設計ができたのだろう.世の中の最新の機能モジュールを簡単に取り込めるようにする拡張性と動的モジュール構成機能は,オーディションでの発表はまあたしかにそれらしいお題目と思ったが,成果を見るとその点に関して見事に本物である.素晴らしい設計・実装能力だ. 複数チャンネル出力というのも,素人の竹内には最初なんのことかよくわからなかったが,言われてみれば実に当り前で,どうして,ほかのシステムでは実現してなかったのかが不思議なくらいである.レンダラというシステム全体を見通し,どこに無駄があるかを知りつくさないと出ない発想だろう.
あんまレンダリング技術については殆ど知らないので下手なことはいえないのですが、とてつもなく凄いということは伝わってきます。そもそも古典的(Appearance-based)レンダラと物理ベースレンダラを統合させようなんて思いつきもしませんでした。物理ベースレンダラでNPR(Non Photorealistic Rendering)が出来るようになる時代が到来するのですか・・・
物理の中でCG,特にレンダラー方面は怒涛の勢いで発展していくので、見ていてとても面白いです(あんま関わりたくは無いですけど)。以前はリアルじゃないとバッシングされていたCGが、最近ではそれなりに受け入れられている理由もそれじゃないかと思っています。
十数年前に登場した考えがいつの間にか古典的なんて言葉がつくようになったりするような業界だからこそ、そういう突出した若い人材が出てくるのかもしれません。それにしても羨ましい。
0 件のコメント:
コメントを投稿