2009/11/14

OMakeのマニュアルを日本語訳してみた


はじめに

OMakeは従来のGNU/BSDのmakeに取って代わる、新しいビルドシステムです。自動的に依存関係を解析してビルドしてくれたり、変更点を監視して自動的にビルドを実行できたりするなど、一回知ったら従来のmakeを使いたくなくなるくらい強力なシステムを持っています(すんごいコード量が少なくなる)。
OMakeについての大雑把な説明は以下の記事を読むとわかりやすいと思います。
少なくとも、卒論とか研究とかでOCaml/C/C++/LaTeXを積極的にビルドする人にとっては、大分恩恵を受けるんじゃないでしょうか。

ですが、さあOMakeを使用してプロジェクトを作ろうとすると、どうしても日本語の文献というものがほとんどない。GNU/BSDのmakeは結構あるんですけど。
いや、オフィシャルに詳しい英語の説明が載ってるじゃん」って人もいるとは思います。そりゃあそうなんですけど、英語できるだけ読みたくないって人も(自分含めて)少なからずいるわけで、日本語の文献を充実させることは、少なくともマイナスにはならないはずです。

といったポリシーの元に、OMakeのマニュアルを日本語訳してみました。現在15章あるうちの8章まで翻訳してありますが、残りは殆どリファレンス的な存在なのでとりあえず以下のURLに公開してみます。

『OMake マニュアル 日本語訳』
http://omake-japanese.sourceforge.jp/

もちろん、残りの章も翻訳する予定です。たぶん翻訳の不備とかいろいろあると思うので、なにかありましたらメールなどで連絡おねがいします。

とりあえず翻訳してみて、OMakeはユーザーが望んでいる機能は大抵実現されているというか、これは現場で大分助かるんじゃないかなとか、そういう痒いところに手が届く孫の手みたいな言語なので、みんなとりあえず使ってみるといいとおもいます。べんりべんり。

あ、最近Goっていう新しい言語が注目されていますが、これを使えばGoでも継続監視ビルドを行えますし、誰かGo用のOMakefileを書くかもしれませんね。

各章の印象

ざっと翻訳した感じですと、2章3章はOMakeについてのガイダンスになっています。4から8章はOMakeの言語や仕様についてより詳しく書いてあります。9章以降は各関数や変数についてのリファレンスです。
とりあえずどんな感じなのか使ってみたいという方は2章、やる気があれば3章を読めばいいような気がします。OMakeについてより詳しく調べたい方は4章以降、といった感じでしょうか。

ソースファイル

ソースというほどではないのですが、翻訳に用いたSphinx(参考: 1日〜1週間でOSSに貢献する方法)用のドキュメントソースをSourceForge.JPのgitリポジトリにアップロードしました。

git clone git://git.sourceforge.jp/gitroot/omake-japanese/omake_trans.git

で参照できます。LaTeX用のドキュメントが欲しい方などはここから各自ビルドしてください。

心がけたこと

  • 逐語訳を避けて、できるだけわかりやすい表現に置き換えました。
  • かといって文が持つ本来の意味をなるべく崩さないようにも注意しました。
  • 用語の表現を統一しました。
  • あっちのマニュアルでは索引がなかったので、ついでに索引をつけました。
そんくらいでしょうか。とにかく今日は疲れました。なんせ量が半端無く多いー!!

2 件のコメント:

Akira さんのコメント...

あなたは素晴らしい仕事をした.
OMakeは素晴らしいビルドツールだ.
そしてあなたの翻訳は日本に素晴らしいOMakeを普及させるための大きな一歩になる.
私は英語が読めるので英語で読んでいるが, 英語が苦手な人は日本語のドキュメントを読むだろう.
一つお願いしたいことは, 全文を刷ることが出来るpdf形式をアップすることだ. 私が英語版を読む理由の一つはこれだ. 英語版でもpdfは提供されていないが, 全文を一気に印刷することは出来る. あなたの日本語版はどうやってすべてを一気に印刷すれば良いか分からなかった. 文書を読む時は印刷した方が便利なので, そうしている. ipadなどが普及して紙を印刷して読むということはありがたみが薄れてはいるが, 紙とペンを使って読む作業の価値は保たれると思う.

最後にもう一度ありがとう. あなたはいい仕事をした. 私は2から9章を英語で読み, それ以外はあなたの翻訳を読む.

rezoo さんのコメント...

コメントが遅くなってしまい誠に申し訳ありません。

どうもありがとうございます。このようなコメントを頂いただけでも、翻訳した甲斐があったというものです。
現在、世に出回っているビルドツールはSCons, Waf, Rake, CMake...と数多く存在していますが、そのどれもが学習コストの高さからあまり本格的に学びたいとは思いませんでした。その中でもOMakeはmake言語をー非常に生産性を極力向上する形でー拡張した文法構造をとっており、かつ文体も非常に分かりやすい形で平易に説明しておりましたので、非常に楽しい翻訳作業でした。ぜひともOMakeについてその良さを伝えてもらえればと思っております。
(とは言っても、ブログを見る限りではRakeに傾倒し始めているようですけれど…個人的にはpythonをひたすら使いつづけたいと考えていますので、失礼な話、Rakeにはあまり興味がわかないのです)

pdfの件についてですが、正直なことを申し上げますとーあまりやる気が起こりません。理由としては2つあって、1つ目がsphinxが生成するpdfファイルのデザインが気にくわないという点と、ライセンスの問題をクリアしかつ印刷に耐えうるデザインをもったフォントが現在のLinux上では存在していないという点です。

デザインの問題はLaTeXで書き出せば良い話なのですが、個人的にLaTeXは好きではありません。フォントの問題は致命的で、VLゴシックが今のところ一番閲覧に耐えうるフォントだと思っているんですが、これはあんまり印刷には向かないフォントです。

結局のところ、ブラウザ上から各自直接印刷->pdfと書き出したほうが一番綺麗に製版されているので、そういった理由からpdfはあんまりやる気がおきないんです。どなたかやっていただけると非常に嬉しいんですけれど。